ライドの始まり
日曜日の朝。
謎の巨大なるパワーによって、
私は知らない土地へと放り出された。
気が付くと道の真ん中に突っ立っていた。
「ここはどこ!?」
幸い手に持っていたスマホで確認すると、
9月4日の朝5時40分。
場所は京都府園部の辺り。
状況を理解できないままでいると、
同じ境遇であろう人たちが、
周りに数名いることが分かってきた。
今回の登場人物です。
- Lovelybeerさん
- kazu.jumpさん
- ぺもぺもさん
- あかのすけさん
- DARUMA
奇しくも自転車を通じて知り合った方々、
良く知った顔ばかりなのである。
不思議なことに我々全員が、
いや、正確にはkazuさんを除いた全員が、
サイクルウェアを身にまとっている。
さらに傍らに愛車も転がっているではないか。
なんというお膳立てなのだ。
唯一kazuさんの横には車があった。
これはいつも車載をしてくれている車だ。
「おお、車に乗って帰ろう!」
誰からともなく出た言葉だったが、
どうやら今回ばかりは叶いそうにない。
なぜならキャリアが付いていないのだ。
これでは2台か3台しか乗らないだろう。
こんな突飛な状況下にも関わらず、
なぜか全員同じことを考えていたようだ。
誰からともなく放った一言を、
全員が当たり前のように受け入れた。
「自転車があれば家まで帰れるね!」
ぼくらおっさんたちによる
園部から帰宅するだけの摩訶不思議ライドが
スタートしたのだった。
茶番。
るり渓を越えて
唯一の車移動のkazuさんと、
目的地だけを共有して走り出しました。
最初の目的には17kmほど先、
心のオアシス「香らん珈ろん」だ!
普段は南から北上しているのに、
北から下っていく新鮮な道のり。
リハビリ第二弾のライドらしく、
私が先頭でペースを作って走っていると、
ぺもぺも氏、先頭交代からのペースアップ。
分かりやすく鬼畜の所業である!
るり渓は山の上である。
随分と登らなければいけないのです。
術後初の登坂区間。
痺れるぜ!
長い登坂区間の始まり。
実は登る前から気が付いていましたが、
リハビリで走るような道のりじゃない!
追い込んでいるわけでもないのに、
最大心拍数200を記録。
私の心臓はまだまだ若いぞ!
無事に香らん珈ろんに到着。
オープン前に着いてしまったので、
しばらく座って待ってました。
香らん珈ろんシスターズと挨拶を交わし、
一番乗りで入店を果たす。
お決まりのモーニングBセットを頂きました。
ここで声をかけていただいたのが、
「ロングライドいったきり」でおなじみ、
カリスマブロガーのちゃもさん!
初めてお会いできました。
少しだけお話することができましたが、
きっと私のリアクションの薄さに、
驚かれたことと思います・・・
久しぶりの香らん珈ろん満喫でした!
地獄の野間と高山!
香らん珈ろんでこれからの話し合いの結果、
「とりあえず箕面まで行こう!」
ということになりました。
走りなれた道のり。
るり渓から南下して能勢へ。
久しぶりの逢坂峠へ。
ビアさんの背中を追って走ったら、
悶絶の強度を味わえました・・・
しかし全然リハビリのペースじゃない。
めちゃくちゃヘビーなんですけど!
R477のちょっと景色のええ場所。
ここには本当に束の間の憩いがあるよ。
そして早くも足が終わった頃に、
今回のボス「野間峠」へと辿り着きました。
いざ、登坂開始!
ここからが今回の醍醐味でした。
仲間から愛ある「自転車乗りあるある」の応酬。
全て甘んじて受け入れよう!
事案①「イケるイケる!」
世にも奇妙な励ましの一種。
こちらは体力の限界を迎えているのに、
勝手にイケると決めつけられるのだ。
お前は私の何を知っているのだ!
しかもそのトーンに余裕があるために、
余計にこっちがやるせなくなるやつ。
鼓舞してくれてるだけに哀愁を覚える。
事案②「こいつまだ息してるぜ」
前日に行った山下達郎ライブの感想を聞かれ、
思わず饒舌になってしまった私に向かって、
「こいつまだ元気あるぞー!」と言われるやつ。
死体に鞭打つような激しい煽り行為。
いつか誰かに披露しようと誓ったほど
鮮烈な事案でした。
事案③「もうちょっと!」
登坂区間の残り距離の虚偽申請。
本当に横行・頻発している詐欺行為の一つ。
今回は残り距離1km以上は残っている段階で、
「もうちょっとで終わりですよ!」という一声。
もはや吉本新喜劇の如き様式美でした。
幸いよく知っている野間峠だったため、
この流言に惑わされることはなかったです。
そんなこんなで野間峠をクリア。
これほどしんどい野間峠は初めてだわ・・・
そしてR423を下って高山方面へ。
事案④「ゆっくり行きましょう」
ゆっくり走ってくれるんだ♪と思ったのも束の間、
結局すぐに背中が見えなくなってしまうやつ。
これは各々の「ゆっくり」の概念が違うためで、
実は誰も嘘をついていないパターンが多い。
だからこそ置いていかれた方は、ただ切ない。
切ない胸に風が吹いてました。
事案⑤「景色良いですね」
疲れのピークを迎えた際に、
同行者から発せられる共感しかねる言葉。
まずそれほど景色が大したことない。
そしてそんなに景色を愛でる余裕もない。
しんどすぎてリアクションできない場合が多く、
同行者の独り言になりがちな側面がある。
そしてこれらの事案については、
紛れもなく因果応報である。
悲しいかな!
そんなこんなで、
ようやくたどり着いた高山公民館。
建物の陰でしばらく休憩させてもらいました。
いやー、マジでつらかった!!!
ファイナルは箕面
最後は箕面駅方面へ。
定番スポットでパシャリ。
そして近くのグルメポイントへ。
【FRANK Ride and Eat】
この付近で一番好きなバーガーショップ。
めっちゃ久しぶりに来ました。
そしてここで再びkazuさんと合流。
要所要所で合流するスタイル。
到着したのは11時過ぎでしたが、
入店後すぐに満席になる人気っぷり。
前より賑わっている感じする!
メニューはこんな感じ。
季節限定メニューもありました。
ここに来るまでに完全なるデガラシ。
食欲もなくなってしまった私は、
控えめにチーズバーガーを注文。
いや、うまそうすぎる!
ごついハンバーガーを目の当たりにして、
失せた食欲がカムバック!
うまーい!!!
ハンバーガー堪能したった!
そして我々は各々の家に帰るべく、
ここ箕面を解散場所にすることを決意。
本来、私も大阪市内まで走って帰るべき人間。
しかし、もう走れる気がいたしません。
kazuさんにお願いして車載を勝ち得て、
最後は車で家まで送ってもらうという、
謎の高待遇のすべてを受け入れました。
ただただ、ありがとうございました。
摩訶不思議帰宅ライド、
お疲れ様でございました!
おわりに
一体、なんのライドだったのか。
正直、私達にもよく分からない一日でしたが、
「非常に楽しかった!」ということだけは、
ここに明記しておきたいと思います。
しかしながら、
我ながら思うように走れない状態で、
驚き桃の木ナンチャラの木であります。
足も心肺も常に限界。
まぁでも気にしてはいけません。
いつか前のように走れる時も来るでしょう。
その時まで、こんな感じで楽しく、
そしてなるべく美味しくを心がけたいと、
強く思っております。
関係ないけど山下達郎良かったなぁ!
また見に行きたいと思いました。
おしまい。
今回の軌跡
距離:59.18 km
タイム:2:32:37
平均速度:23.3 km/h
総上昇量:997 m
ご回復おめでとうございます!
今回も楽しかったです。
サザンが出てきてうれしかったので、私もでしゃばってきました。
ありがとうございます!
まだ日常生活も困ることも多いんですが、なんとか自転車は乗れそうです。
サザンファンはせつない時、胸に風が吹きがちですからねw