【自転車でうどん巡り】神戸のシェアサイクル「コベリン」で勢い余って四国へうどんライドに行ってきた話

はじめに

某日昼間。
女性客で賑わうチョコレート専門店に、
二人のおっさんが居た。

ぼくとあまえび氏だ。

ぼくらはロードバイクで四国のうどん屋巡りをする、
通称「うどんライド」の相談のために集まったのだ。

その相談と言っても、残念なことに、
もっぱら話し合うのは、計画変更についてだった。

当日はばりばりの雨予報だったのだ。
如何ともし難い。

悪天候が決まっている中で、
素敵な代替案が浮かぶはずもなく、
ただ美味しいチョコレートドリンクを飲む時間…
いや、これはこれで至福だったけど。

もう全てを諦めようとしたとき、
あまえび氏は、ほくそ笑みながらこう言った。

「ロードじゃなくてママチャリでええやん」

はあ?このおっさんは何を言ってるんや。
最高のアイデアやんけ!!!

雨具を装備している前提で考えれば、
ヘタにロードで走るよりママチャリのほうが
安全に走行できる部分も多いだろう。
行動範囲さえ狭くしてしまえば良いんだ。
なんせ”うどん屋を巡るだけ”なのだから。

計画は着々と出来上がっていった。

ただ一つ、最後の難所があった。
もう一人のメンバー、マムートン氏だ。

彼は仲間内でも硬派で知られる男。
ブルベのコツを聞くと「気合です」と言う男だ。
(なんのアドバイスにもならないやつ。)
多分くにおくんの次くらいに硬派だ。

そんな彼に否定されてしまえば、
この計画もゴミ箱に捨てざるを得ない。
しかし、その反応は意外なものだった…

「なんと健全な!了解しました」

なにこれ。硬派なのに、軽いノリ。
マムさん素敵!!

というわけで、
「自転車で巡る四国うどんライド」は、
レンタサイクルを利用して、
雨天決行で催されることになりました。

前回のうどんライドから約2年。
ようやく念願の再訪が決定しました。

【自転車うどん巡り】ジャンボフェリーに乗って念願の「うどんライド」へ!

2016/12/17

 

雨のうどんライド計画

さてさて。
改めて計画の概要を記しておきます。

当日、というか前日の深夜。
ぼくらは神戸からジャンボフェリーに乗って、
四国は高松へと向かいます。
高松への到着は朝の5時の予定。

ここでひとつ問題が浮上。
向こうでレンタサイクルを借りようと思うと、
一番早い時間で朝の7時になるのです。
2時間ほどの待ち時間が生じてしまう。
できるだけ無駄な時間は過ごしたくない。

ということで、
思いついたのが神戸でのレンタサイクル

三宮でレンタサイクルをしてしまって、
そのままフェリーで四国へ乗り込もう!
というナイスアイデアだ。
ナイス、ナイス、ベリーナイス!

三宮には「コベリン」というシェアサイクルがあります。
そう、街角に並んでるコレです。

街めぐりをするための電動シティサイクルで、
高松で借りられるものに比べると、かなり値は張るが、
神戸で借りた自転車と海を渡って旅ができるかと思うと、
無駄に胸が熱くなってきたので、
もはやこれしかない!という結論に至ったのです。

神戸コミュニティサイクル
こうべリンクル“コベリン”

https://www.kobelin.jp/

当然、コベリンの管理会社には、
事前に問い合わせをしておきました。
もちろん利用規約は承知した上で、
不安な部分を確認してみました。

大雑把に書くとこんな感じの回答。

コベリン利用時の注意点
  • ちゃんと返却できれば四国に行くのは問題ない
  • バッテリーが切れると電動アシストできなくなる
  • バッテリーが切れると開錠もできなくなる
  • 万が一の故障の場合にでも対応できない
  • なんせちゃんと返せば問題ない

何か故障などがあった際も、
神戸であれば対応できる場合もあるけど、
四国ではそれができない。

後、バッテリーが切れてしまうと、
開錠ができなくなってしまう。
万が一その状態に陥ったとしても、
なんとしても返却してもらわないといけない。

ちなみにこれは別の鍵を用意しておくことで、
最悪は本体の鍵を使わなくても良いようにしました。

要は「ちゃんと元気な姿で戻してね!」
ということでした。
なんと懐の深いコベリンさんだ。
まさかフェリーに乗っけられることは、
想定していないサービスだろうな。

もはや何の問題もないぞ!
こうして僕らのうどんライドが決まった。

 

神戸から四国うどん県へ!

四国へ降り立つ前日23時。
3人は三宮に集合して、コベリンを借りる。

相棒はお前に決めた!
よく見たらブリジストン製でした。
これは実質ANCHORですね(違

電動アシスト付きの自転車なんですが、
シェアサイクルの性質上、ポートにある自転車は、
バッテリーは満充電とは限らないらしく、
1個ずつ確認して、充電残量の多い個体を選びました。
奇跡のバッテリーフル!!!

サドルは限界まで高く上げて、
安全のために、前後にロードで使ってるライトを装着。
ぼくらの本気。

それぞれの相棒に乗って、
いざ、ジャンボフェリーのターミナルへ!

「電動なしでもある程度走れるのか?」が、
懸念の一つだったんですが、意外と問題なさそう。
これならバッテリーの消耗を調整して走れそう!
嬉々とするおっさん3人。

早めに着いて乗船の手続きを済ませます。

乗船までは待合で時間を潰すことにしました。

待合でしばらくボーっとしていたら、
なんか見たことのあるシルエットが入ってきました。
あ、自転車乗りやなぁ。
こんな平日にもいるんやな〜。

・・・ん?
あれれ!???

な、ななしきさんやんけ!!!!!

まさかのななしきおじさんサプライズ登場!!!
そして、その横にはブロンプトン。
うどんライドの完全正装やんか。

確かに企画の概要は事前に話してたけど、
まさかその場に登場するとは思ってもみず・・・
死ぬ物狂いで仕事を調整してやってきたらしい。

なんというフットワークの軽さ!
凄まじきオッサンの嗜み!!

これは最高のうどんライドになるぞ!(確信)

思ってもみない同志のサプライズ登場に、
ぼくらの士気は一気に上がりました。

そして意気揚々とフェリーに入船です。
自転車と一緒に乗り込みます。
この凛とした乗り姿がたまんない。

ロードバイクなら不安定な停車場所も、
コベリンならスタンドで安定感抜群さ!

フェリーではさっさと寝てしまい、
「二人を結ぶジャンボフェリー」で目覚めたらもう四国。
(ななしきさんは色々と満喫してたみたいですけど・・・)

到着時刻は予定より遅れて午前6時前。
フェリーを降りたら、もう四国だ!

要らない荷物はロッカー預けました。
身軽になったところで、いよいよスタートだ!

 

うどんライドSTART!

天気予報の通り、現地は雨。
雨具に身を包みママチャリにまたがる。
うどんライドのスタート!!!

まだ暗い道を高松駅方面に走る。
ちなみに前半戦は電動アシストを使わず、
自らの力のみで走る作戦だ。

見てくれ。
このかっこいい男たちの姿。

先頭を走るあまえび氏。
その走りには一片の迷いも見えない。
所作はロードバイク乗りなんだけれど、
乗ってる乗り物はちょっと違う。

その毅然として走る姿に付いて行ってたのですが、
どうやら当人は全く道を知らずに走っていたらしく、
早速、全く見当違いの方向へ走ってしまうハプニング。
一片の迷いは見せてくれ・・・。

そんなこんなで、
キャッキャとはしゃぎながら高松市街地へ。

 

①「味庄」

最初のお店は高松駅近くの「味庄」
老夫婦の営む昔ながらのお店。

「ぶっかけ冷(小)」を注文しました。

久しぶりに食べるさぬきうどんは、
やっぱりめちゃくちゃ美味しい!!
「これこれ、これだよー!」

もっと食べたい!
鼻と口をうどんで繋げたい!
うどんへの欲求が急速に高まるが、
ここで腹いっぱいにしてはいけないのです。

 

サっとお店を出て次なるうどんを目指します。
雨の中を駆け抜けるのだ!

徐々に空が明るくなっていく。
あまえびさんの後ろ姿が
ニンジャタートルズに出てくる忍者に見える。

 

②「手打十段 うどんバカ一代」

2軒目は定番の「うどんバカ一代」へ!

「釜バター」という異色うどんが有名で、
前回はもちろんそれを頂いたのですが、
食べたことのないうどんも気になるぞ!

ということで、
今回は敢えて「冷かけ(小)」を注文。
なんだか見た感じで既にうまそうだぞ。

一口食べてめちゃくちゃ驚いた。

うおおお!めちゃくちゃうまい!!!!

濃厚でひとクセのある出汁と、
コシの効いたうどんがたまらん。
饂飩界のチャゲアスかよ。

感動すら覚えるこのうどん。
釜バターという変化球を味わう前に、
この冷かけを食べるべきだわ、これは。

バカ一代、これは再訪を誓う味でした。

 

激走!?「がもううどん」を目指せ!

次なるお店は「がもううどん」。
ここから約17km離れた場所にあるので、
さすがにママチャリでは少し遠い…。

しかし、がもうは僕らの念願の地
諦めるなんてできません。
17km走ってやろうじゃないか!!
We Are 自転車乗り!!

止まない雨の中を、
がもううどんを目指して走ります。

あまえびさんのスマホをナビ替わりにして、
ややこしい町の中を抜けて行きます。

「ここがショートカットです」と言って、
細い道をウネウネと走っていきます。
そう、彼の毅然とした走りに迷いは見えません。

しかし、しばらく走っていると、
事件は起きてしまいました。

あれ?
なんか・・・知ってる景色が・・・

これ、さっきと同じとこやん!

再び道を間違うあまえびさん。
誰も気がついていなくて思わずみんなで大爆笑。
後でログみたらめっちゃ綺麗に周ってる!

基幹道路R11を西へ走ります。

天気予報の通り、雨は止む様子はなく、
安モンの雨具を着ていた僕は、
中が蒸れて大変でした。透湿性って大切。

逆に何故か薄手の秋仕様だったななしきさんは、
かなり寒い思いをされてたみたいです・・・
ウェアは難しいね。

ひたすら走り続けますが、
そもそもスピードが出ない自転車なのに、
一切電動を使わずして走っていたため、
平坦でも20km出ないくらいの速度域。

いくら漕いでも距離が縮まらないよー!
ロードバイクのありがたさよ・・・

そして9時前。
ようやく「がもううどん」に到着!

 

③「がもううどん」

前回、強烈な印象のあった「がもううどん」。
念願の再訪でございます!!

9時前にして結構な行列でしたが、
回転も早いので、少し待つと入店できました。

「冷かけ(小)+あげ」を注文。
これで250円ってどんな世界やねん・・・

店の奥のスペースに座って頂きました。
このお店は雰囲気もたまらんねんなぁ。
大好きだわ。

うどんを口に入れて、
首が取れんばかりに頷く。

これこれ!めっちゃうまい!!!!

先ほどのバカ一代にも感動したけど、
また違う美味しさがある!
同じうどんなのに全然違う!!!

「あーがんばって来てよかったなぁ!」

思わず口から漏れたソウルフルボイスに、
みんなで頷きながら賞味いたしました。
最高だよ、がもううどん!

 

無駄に遠回りをする!

がもううどんでお土産を買ったあまえびさん。
がっつり8人前。
「出汁が重いんです」と笑顔で語ってくれました。

うどんを食べることを主軸にすれば、
ここから市内に引き返せばいいのですが、
それだと少し味気ない。

ぼくらはサイクリングも楽しみたいんだ!

我々は腐っても…いや腐った自転車乗りだ。
走ることを楽しむ区間があっても良いんでない!?

良く分からない理屈によって、
遠回りをして戻ることになりました。

というわけで、ゴーゴーゴー!
まだ電動アシストは使わねぇぜー!!

ようやく雨も小康状態になり、
絶好のサイクリングタイムの訪れ!

足にビニール袋を被せるスタイルで、
この日「ドラえもん」と揶揄されていたマム氏。
しかし、その目で良く見ていただきたい。

どう見てもドラえもんである。

ドラちゃん激走!
できればその赤い甲羅は投げないでほしい。

そして海が見える場所へ。

あいにくの空模様で遠くは霞んでいたけれど、
それでもこの景色は特別だったなぁ。

瀬戸大橋はバッチリ見えましたよ。
写真ではちょっと伝わりづらいけど・・・

気持ちいい海岸線を走る重い自転車。

この日、唯一プロンプトンで快調に走るななしきさん。
アップダウンでは彼に遅れを取りすぎてしまうので、
この辺りで満を持して電動アシスト解禁
オートエコモードでも登りが驚くほど楽だ!

アシストをONにしたとて、
平坦のスピードは出ないのですよね。
本当に厳しい戦いだった・・・

持てる力を振り絞れ!!!
膝に違和感!!!


photo by あまえびさん

瀬戸内を感じる景色。
「次はロードバイクで走りたい!」
そう思わせてくれる素敵な海岸線でした。

この後、再び雨に降られたりしながらも、
なんとか無事に高松市街地へ帰着。
次なるうどん屋さんへと向かいました。

 

④「はりや」

本日4軒目の「はりや」へ。
前回、時間がなくて泣く泣く諦めたお店。
またもやお昼時の訪問になってしまいましたが、
今回は時間に余裕があるので、並びまっせ~。

15分ほど並んで入店できましたが、
お店の中にも列を成している!

並んでいる間に何を頼むか悩みますが、
どれも美味しそうで悩ましいなぁ!

マムさんオススメの「かしわざる(小)」を注文!
鶏天のボリュームがすごいぞ!

うどんの美味しさは言わずもがな、
鶏天のサクフワは至高の逸品!
胃袋を懸念して「小」にしてしまったけど、
見た目に反してペロリとイケてしまうやつ!
なんて幸せな一品なんだ・・・

結局並んでから店を出るまでに、
全部で1時間くらい要してしまいましたが、
その価値は充分にありましたね。
大満足!!!

 

⑤「手打うどん 麦蔵」

もう時間も残り少なくなってきたので、
本日5軒目の”ラストうどん”へ。

フェリー乗り場近くの「麦蔵」へ。
看板もなかったので、一度素通りしちゃったわ。

頼んだのは「ぶっかけ冷」

ここは味云々以前の部分に不満が募りました。
残念ながら今回唯一感心できないお店でした。
オススメしたくない感じ。

というわけで、
あんまり言及しないでおきます〜。

 

神戸へ帰る!

あとは帰るだけでございます!
フェリー乗り場に向かって走り出します。

短い時間だったけど、
超絶濃厚な時間を過ごせました。
ありがとう!また来るよ、うどん県!!!

ジャンボフェリー乗り場へ。

フェリーに乗るスタンバイも完了。
自転車はぼくらだけだったなぁ。

しばらく待合で待っていると、
アナウンスがありました。

「到着が1時間半ほど遅れる見込みです」

いやいや遅れすぎやろ!
とか言いながらも特にやることもなく、
結局2時間ほど待ってから、ようやくの入船。
待ちくたびれたよ・・・

でも船員さんの軽やかな案内に和む。

自転車の定位置へ。
ここで初めて3台ともサドルが違うという、
どうでも良いことに気がついてしまいましたが、
本当にどうでも良かった。

帰りのフェリーはかなり空いていました。
船内のお風呂を満喫したりしてましたが、
結局みんな寝ちゃいましたね。

予定より2時間ほど遅れで神戸へ到着。
コベリンのふるさとに戻ってまいりました。

最後にフェリー乗り場で記念撮影!
この4人で走れて本当に楽しかった。

そして三宮駅近くのポートへ返却。
コベリン、本当にありがとう!!!
お前の短いクランクは一生忘れない。

コベリンと走った距離は、船までの往復も含めると約60km。
そして香川でまわったうどん屋さんは5軒。

非常に充実したうどんライドになりました!!

そしてなによりご一緒してくれた3人、
強烈に楽しい思い出をありがとう!

絶対にまた行きましょう!
次はロードバイクで!!!

 

おわりに

ひたすらに楽しかったうどんライド!
次回開催を心に誓う充実っぷりでした。

雨天で計画が破綻しそうになって、
そこから起死回生のコベリンプラン。
それに乗っかってくれる仲間と、
サプライズで現れたおっさん。
道中も楽しいうどん食べまくり行脚。

最高でしかなかった!


今回は自分の自転車ではなく、
コベリンというサービスを利用しましたが、
利点はいくつかあると感じました。

電動アシスト付自転車である!
というのは最高の強みかもしれません。

今回はがもううどんへ行ったので、
走行距離もかなり伸びてしまいましたが、
市内のうどんを巡るのであれば、
常時バッテリーを使用しても充分に保ちます。

現地にも数カ所レンタサイクルがありますが、
どこも普通のママチャリしかないようなので、
「わざわざ三宮から運ぶ」という手間を踏めば、
電動アシスト車でのうどん巡りが叶いますね。

利用料金についてですが、
まだ請求が来てないので不確かですが、
今回は「一回利用」で、おそらく1200円ほど。
それに加え、フェリーの自転車料金は、
乗船料に往復1000円プラスされます。

「果たして、2000円以上かけて、
コベリンを利用する利点はあるのか?」

もし、この問いを投げかけられれば、
私は自信を持って「ないやろ」と言います。
うどん5杯分より高いんちゃうか。

でも、ほんとに面白かった!
コベリンで走れて最高に笑えた!
それを思うと機能性や利便性以外の部分に、
コイツの意味はあったのかなぁと思いました。

自分の自転車を持っていかなくても、
現地でレンタサイクルをしてしまえば、
充分にうどんライドは満喫できる!

これが分かっただけでも大きい収穫でしたね。

当初はロードバイクで走る前提だったので、
全く違うお店を回るプランを組んでいました。
行きたかったお店がたくさんあったんです。
それはまた次の機会に活用できたら良いなー。

年内にもう一度くらい行きたいなー。
できればまたこのメンバーで!

 

今回の軌跡

距離:58.62 km
タイム:3:47:23
平均速度:15.5 kph
高度上昇:324 m

 

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