これぞ”隠れた名盤”!「Alice Clark」が残した一枚だけのアルバム

巷でよく聞く「隠れた名盤」というフレーズ。
意外に露出が多くて隠れてなかったりするケースも多いんですが、
今回紹介するAlice Clarkという人物のアルバムですが、
これはなかなかの"隠れ具合"です。

 

アリスクラーク。
女性ソウルシンガー。
その素性はあんまりよく分かっていないみたいなんですが、
彼女は72年に唯一アルバムをリリースしています。
よくあることやけど、その作品はまったく売れることなく、
その他、数多の中に埋もれていってしまうのです…。

しかし、20年近く経った90年代のAcid Jazzムーブメントのころ、
彼女の楽曲が再び注目を集めることになります。

Soul系コンピレーションの中に数曲収録されることになり、
その音源が再びリリースされるや否や、
クオリティの高さに皆が悶絶、阿鼻叫喚(←違う)

その音源が評判を呼びに呼びまくって、
アルバムが再発になりました。
というのが90年代半ばのお話。

その後、紙ジャケのリマスターの再発もあったので、
そこそこのセールスはあったと思いますが…。


というわけで、
その"アリスクラーク"の唯一のアルバムがこちら。

 

by カエレバ

 


ジャケットからはディープソウルのニオイがプンプンですが、
中身はむしろキャッチーな楽曲が多いです。
編曲もホーンが効果的に入り、
派手でいて分かりやすいアレンジ。
とっつき易いサウンドですね。

メインのアリスのボーカルは、
正直めっちゃ上手いとかいう部類ではないと思うんですが、
声は澄んだ声をしていて、それはまたそれでええ感じなのです。
「味のある歌」だという表現で良いかもしれない。

 

Track List:
01.I Keep It Hid  
02.Looking At Life  
03.Don't Wonder Why  
04.Maybe This Time  
05.Never Did I Stop Loving You  
06.Charms Of The Arms Of Love  
07.Don't You Care  
08.It Takes Too Long To Learn To Live Alone  
09.Hard Hard Promises  
10.Hey Girl

 

実はこのアルバムには強烈なバックが付いているようで、
#6、#7、#9「Sunny」でお馴染みのBobby Hebbの作品。
それもあってか、アルバムの楽曲のクオリティは極めて高いです。

 

#1はよくあるミドルテンポの曲かと思いきや、
3/4からサビで4/4へと転じるという面白い展開。

 

#5は一瞬Jackson Sistersを思わせるようなイントロが印象的なナンバー。
ノリノリのアップテンポソウルナンバー。

 

#7はコンピレーションにも収録された目玉曲。
ホーンアレンジ、ドラムが光る秀作。

 

オルガンが唸る#9は、どこかリズムがVoices of East Harlemを思わせる
とてもリズミカルなナンバー。

ラストの#10はDonny Hathawayのライブアルバムでもおなじみの曲。
それに比べかなりテンポが早く軽快。
これはこれでめっちゃかっこええやん。


という感じで、
ノリの良い曲が多くて、かなり聴きやすい。
ほんとに曲がそれぞれハイクオリティなので、
なかなか楽しんで聴ける作品です。


おもろいことに、このアルバムにはプレーヤークレジットがありません。
誰が演奏してるのか全然分からんのです。
ドラムはバーナードパーディかという噂も多いみたいですが、
ちょっと違う気がする…。
ベースはゴードンエドワーズと言われてるみたいですが、
どちらかというとチャックレイニーぽいねんけどなぁ。
さすがに聴いても全然分かりませんね…

誰が弾いてるんやろ、とか、
そういう楽しみ方もおもしろいかも。

 


ぼくだけかもしれないですが、
このアルバム、かなりアレサフランクリンを意識してるんじゃないかと思ってます。
なんとなく、そういう雰囲気の曲も多いし、
あー、アレサやったらどう歌うやろ…と、
少し考えてしまうようなとこがありません?

リリースされた72年と言えば、
アレサのフィルモア、ダニーハサウェイのライヴ盤リリースの翌年。
"SOUL MUSIC"の全盛でもあった時代だと思うので、
そのムーブメントに良くも悪くも呑まれた一人なのかもしれないですね。

キャッチーなソウルミュージック好きにはオススメです!

 

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