Cold Bloodが1972年にリリースした3作目「First Taste of Sin」。
傑作!
![First Taste of Sin](https://www.grooveinlife.com/blog/wp-content/uploads/2013/11/P1000138-450x337.jpg)
Female Funkの決定盤
女性ボーカル"Lydia Pense"率いるファンクバンドCold Blood。
ファンキーなリズムセクションと、
ホーンセクションを全面に打ち出したサウンドで
Tower of Powerと並んで称されることも多いコールドブラッドですが、
TOPとは同郷で、掛け持ちで活動するメンバーもいたようなので、
まぁ当然とも言えるかもしれないですね。
バンド形態で女性ボーカルを立てているファンクバンドは
今も昔も珍しいんではないかと思いますが、
それほどリードボーカル"リディアペンス"のボーカルはスゴイ。
![Lydia Pense](https://www.grooveinlife.com/blog/wp-content/uploads/2013/11/5051523997_ea77d092aa_z-450x300.jpg)
ファンクバンドにふさわしいパワフルでソウルフルな歌唱。
彼女が白人であるというところもあってか、
引き合いにはよく"Janis Jopljn"の名前も出てきますが、
まぁなんとなく分かるような、分からんような…。
「白人と思わせないソウルフルな歌唱」というところでは、
確かに共通のインパクトはありますね。
Donny Hathawayプロデュースのチカラ!
いくつかアルバムをリリースしていますが、
この"First Taste of Sin"はファンクアルバムとして素晴らしい完成度。
注目すべき点は、なんといっても
「ダニーハサウェイ プロデュース」というところ!
1972年といえば、Donny Hathawayが超絶名盤"Live"をリリースした年。
ノリにノリまくりの時期ですね。
本作は非常にキャッチーかつファンキー。
ホーンセクションもほかのアルバムより存分に吠えています。
自身のバンドでも秀逸なアレンジを施すDonny Hathawayのチカラが、
このアルバムで、プロデュースという形で発揮されていますね。
熱いホーンセクションを牽引するパワフルボーカル
全体としてリディアのボーカルが爆発しててかっこいいのはもちろんながら、
やはりこのアルバムはホーンセクションが秀逸。
ファンクバンドより、むしろCHICAGOなどのロックっぽさすら感じさせる
熱いホーンセクションは間違いなく聞きどころの一つ。
James Taylorのカバー#2なんかも、
"Lean On Me"でも始まるのかと思わせる序盤だが、
曲が進むにつれて、ファンキーでをソウルフルに味付けしてしまう素晴らしさ。
また前曲の余韻を急に覚ますファンクチューン#3や、ファンクロックな#5、
重いリズムがドシドシとくる#6や、アップチューンの#8などなど、
グイグイくるファンクナンバーの応酬が、今までにないコールドブラッドを感じさせるのです。
ブラスロックならぬブラスファンクと言いたい。
#4はダニーハサウェイから提供された曲で、ダニー色が丸出しのバラード。
これまたリディアの歌唱が素晴らしい。
そしてこのアルバムのたまに出てくる男性シンガーも良いんです。
優しい声をしていて、リディアとの対比も十分だし、
#7ではメインボーカルを取っていて、
曲調も手伝って、まるでシカゴのロバートラムのようなのです。
名前を調べてみると"Danny Hull"という人で、
テナーサックスとソングライティング、たまにボーカル。
このアルバムの立役者はこの人かもしれないな…。
ファンキーでキャッチーなインスト"
アルバムの幕を閉じるのも憎い演出ですね。
Donny Hathawayが73年に自身のアルバム"Extension of a Man"にも収録されるこの曲。
本人はラテンテイストででエレピでメロディを弾いているが、
コールドブラッドのバージョンはホーンがうなる力強いサウンド。
Cold Bloodはこの後も良質な作品をリリースしています。
特に"THRILLER!"なんかはまた本作とは違ったサウンドで、
名作であることは間違いないんですが、
やはりこの"First Taste of Sin"独特の暑苦しさと、
それを負けるどころか引っ張り倒すLydia Penseの歌がステキすぎます。
コールドブラッドはこの後、3作品をリリースしてから名前を見なくなりましたが、
突如として、2008年に来日したのは記憶に新しいですね。
全盛期と違わぬパフォーマンスを見せてくれたという評判でしたが、
そのときは例のごとく東京だけの公演でした。なんてことでしょう。
次回、来日の際はぜひとも大阪へもお越しください。
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