先日のMarlena Shawのライブのときに
 "先行発売"していたChuck Raineyの新作をゲットしました!
 (関連記事→Marlena Shawの2013年来日公演ライブレポ!)
 邦題「グルーヴの解釈」
 ものすごいタイトル!
 なんつーセンスやと思ってたら、原題そのままでしたw

 御年73歳(!)のスーパーベーシストの新作は、
 思った以上にパワフルで、ベースも現役そのものでした!
 なんとなくチャックレイニーと言うと、
 Steely DanにDonald Fagen、Aretha FranklinとKing Curtis、
 ブルーノート後期のDonald Byrdをはじめとするマイゼルブラザーズ作品や、
 おなじみのMarlena Shawなんかを思い浮かべるんだけども、
 このアルバムでは、そういったスタイルとは別のチャックレイニーが聴けます。

 制作に数年を費やしたという本作には、
 故Ralph Macdonaldのクレジットもあり、うれしい特典。
 基本的に歌モノ中心の構成で、ほとんど自分で歌ってはります。
 健在のベースはもちろんのこと、その渋い歌声もなかなか良く、
 時にはラップ調のアプローチもあり、意外でした。
 基本的にベースがブイブイいっているのには違いないので、
 チャックレイニーのベースが好きな方には受け入れやすい音楽かと。

 イントロから粘るスラップが聴けるタイトル曲"Interpretation Of A Groove"を皮切りに、
 バリトンボイスと重いベースを聴かせるチャックレイニーサウンド全開。
 ミドルナンバーの#2"Think About It"は、得意のダブルストップも多用した、
 和音を駆使したプレイが印象的。
 ベース一本とボーカルだけのスタイルの"And The Cowboys Still Ride With Pride"。
 カッティングから始まり軽やかなスラップへ転じる。
 まるでVictor Wootenみたいなスタイルだが、
 これを演ってる人が70歳を過ぎているなんて…なんか若すぎやしないか?w
 #5の"Beautiful Brown Eyes"はピアノが軽快なカントリースタンダード。
 オールドソウルの"Fever"は、けだるい雰囲気で意外にもバイオリンがハマりまくり。
 あんまりソウル系でもバイオリンの活躍は聞かないけど、
 少しベラフレックの他民族的音楽のような雰囲気も出てとても良いですね~。
 
 "Uncle Chucky's  Thumb Slappin' Bass Boogie"はベース弾きまくりな曲!
 ピアノと手拍子とベースのみの異種格闘技戦であります。
 Bill Withersの"Use Me"はラテンのピアノにファンキーなオルガンが絡むファンキーアレンジ。
 原曲のイメージが消えたテンプテーションズの#9辺りで、
 サウンド的には少しマンネリを感じつつも、重いベースが心地よくてもうどうでもよくなる。
 ラルフマクドナルドのパーカッションが生きる#10は、
 ある意味で1番チャックレイニーらしい楽曲かもしれない。
 アルバム最後の曲としては秀逸ですね。
 #11、#12はボーナストラック。
 それなりで#11の"That Xmas Eve"は、#4のスタイルが再び。
 #12の"Oceans Of Dreams"はオマケ感あるインスト。
 特にグっとこないボーナストラックかな…。
 
 全体的にお世辞にも曲調豊かとは言えないけど、
 チャックレイニーのベースを楽しむには十分の内容ですね。
 しかし昔のチャックレイニーと比べると、ベースのサウンドが違うのもあるけど、
 「あ、こんなベースも弾きはるのね。」
 という場面も多々あったので、個人的にはうれしい収穫でした。
 しかし"歌もの"と言えど、やはりベーシスト向けの内容。
 「名盤"Coalition"再び!」と思ってしまうのも、正直なところ。
 ちなみにチャックレイニーの参加作品については、
 コチラの"Music Goodies"さんで詳しく解説されております。
 http://goodies.moo.jp/chuck/rainey_t.html
 最後に、数々の名演を残してきたチャックレイニーの
 個人的に好きなプレイ(かなりベタですが)を
 ここに貼り付けてサヨナラします。
 
 Steely Dan / Peg
 
 Donald Fagen / Green Flower Street
 
 Aretha Franklin / Rock Steady
↑8/21発売!
こないだ発売されたWill Leeの新作もベーシストなら気になりますね…。























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